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乙女の悩み



春や夏は、いいの。
葉っぱで輪郭が隠れるでしょ。
あまりスタイルも気にならないじゃない?

冬は葉っぱが落ちちゃって、
ラインがくっきり見えるでしょ。
・・・やっぱり気になるの。

それを考えると恥ずかしくって、
冬が近づく秋になると、
顔が紅くなっちゃうくらい。

なのに最近、冬になると、
葉が落ちるのを待ってましたとばかりに、
電球を、こーんなに飾り付るのよ。

あんまり見ないで欲しいわ。

ただでさえ恥ずかしいのに・・・


早く雪が降らないかしら。
そうすればちょっとは、隠せるでしょう?



ワガママ

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雨だなんて、許せないんだ。
ずっと、晴れていなきゃ、嫌なんだ。
雨がなんだって言うんだい?
大地を潤す?だから何だって言うんだい?

僕は十分潤っているし、これ以上浴びたら、腐っちまうよ。
それより、ずっとずっと、青空に見つめてもらいたいんだ。
じゃなきゃ僕は、嫌なんだ。
いつでも青空の視線を感じていないと、苦しくなるんだ。

青空が僕を、ずっと必要としてくれたら、って思うんだ。
青空が僕を、愛し続けてくれたら、嬉しいのさ。

だけど僕は、青空に何をする訳でもない。
ただ、視線を感じて、時々顔を上げて、やあって手を振るだけ。
別に青空を愛している訳でもないし、抱きしめたい訳じゃあない。

第一、「愛する」って意味、知らないんだ、僕。

今日さ、青空が珍しく機嫌良くてさ、僕の事、ずっと見ていたんだ。嬉しかったよ。
僕は青空の下で、本を読んだし、散歩もした。
その香りを胸一杯吸い込んだから、僕の体からは、空と風の匂いがしたくらいさ。
こんなに機嫌が良いなんて、本当、いつ以来だったろう。

そうなんだ、青空って、気分屋さんなんだ。
わがままなんだよ。
機嫌を損ねると、すぐどこかへ行っちまう。
代わりに、グレーの重たい雲なんか連れて来ちゃってさ、僕がため息つくのを見て、笑ってるんだ。あいつ。
だから僕だって、青空の機嫌を取るために頑張ろうとは思うよ。
でも、方法が分からないんだ。
どうすれば、彼女がいつまでも、僕を見つめていてくれるのか、分からない。

分からないから、仕方なく、見上げるだけなんだ。
本当はね。
「アイスル」って事が、できたら、青空はもっと、僕に会いに来てくれるんだろうか。

わからないよ。やっぱり。
だって、青空って、わがままだからさ。

そらのお話

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飛行機雲が、すーっと伸びる日だった。
何本も、まっすぐな線が生まれて、
天空で交わっていた。

「こんにちは」
「さようなら」

「はじめまして」
「こりゃどうも」

「そちらのお空の、具合はいかが?」
「やあやあ、向こうを御覧なさい。」

「あすこの、空の、点々ですか」
「ああ、そうだ。
あんたにゃあれが、点に見えますかな。」

「水をたっぷり含んだ筆に、
白い絵の具をちょんっと付け、
薄く延ばした水色の上に、
ぽんぽん置いた、点に見えます。」

「そうかそうか、若者よ。
それならもっと、近づくがいい。
あれはお空の母さんが、
そっと離した天使たち。
ほらご覧。手をつなぎ、
ふんわりふわり、降りてくる。」

見れば空には沢山の
白い天使が舞っていて
ゆっくり ふわり 手を繋ぎ
あっちに ふわり
こっちに ふわり

「天使はお互い手を繋ぎ、
お空の母さんに手を振って、
あっちへ、こっちへ、降りなきゃならん。
だからとっても、悲しくて、
みーんな涙を流すのさ。
だから明日は、雨が降る。
天使の流す、涙だよ。」

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